2018年10月12日

きのうのことがあったので、

2018年10月12日

きのうのことがあったので、今日はなんだか落ち着かない一日を過ごしたのだけど、夕方迎えに行くと娘はいつもと変わらない様子で少しホッとした。鼻唄なんだかなにかの台詞なんだかペチャクチャいつも通りやりながら僕の先を娘は歩いて今日は雨だから迷わず駐車場へ向かう。

車に乗ればさっさとカーナビをテレビからDVDに替え、盲牌並みに見事に「🎵千本桜」を引き当てる。

だいぶ日は短くなり信号待ちは眩しくなくなった。

 手振りを添え熱唱する娘に、いつものタイミングを今日は意識しながら晩ごはん何にしようかと聞いてみると、娘はいつものように聞いちゃいない。

ますます僕は安堵する。餃子にしようかと吹っ掛ける。

きのう食べたよ。

相方の突っ込みのように心地いい。

右折のあとの前方の景色はもう夜に近く、曲がる信号だけが緑色に鮮明だ。いつも通り曲はさびにさしかかる。

左に曲がる合図をだし駐車場に入る手前で僕はヘッドライトを消し、前から来る自転車に先を譲った。車はこうやって歩行者を守るんだよとわざわざ見せつけるような車の運転はもはや日常になっている。僕は日常を確認した。

駐車場の奥まで入りいつもの隣の車の頭をなでるようにこするように僕は車をギリギリ斜め向きで横につけ、バックにシフトを入れてゆっくり下げる。娘の千本桜はビックリするくらいにいつも同じようなタイミングで終わって、なので車庫に入れるのと娘の最後のポージングがだいたい重なるんだけど、今日はエンジン切るタイミングまで合わせてやろうとしたがそこまではいかなかった。

次の曲が一瞬はじまったところで僕はエンジンを切った。

次はじまったね。

終わり終わり。ランドセルしょって。

左のスライドドアを運転席のスイッチで開ける。

助手席を降りた娘は開いた左のスライドドアからランドセルを取り、僕は降りて右のスライドドアを開け今日は持ち帰ったパソコンのケースを持ち、使わない二本の傘を握り閉めようとする。

お父さあん、死ぬとゆーれいになるの?

車の反対側にいる娘が聞いた。

あ、ああそうかもね。でも脅かさないでよ。

あたしがゆーれいになった頃にはもうお父さん死んどるわあ!

危ない会話の橋を渡るようで背筋が寒い。

まあそんなのはいいからさあ。

ゆーれいってお化けのこと?

そうそうそうかもね。脅かさないでよ。

ガオー!

やめてよ。

収まらない。

お化けって英語でなんていうが知ってる?

道に出て、水溜まりを避けながら誤魔化した。

a ghost.

さすがよく知ってるね。

Halloween だよ。

あー、ハロウィンのことお父さんよく知らないんだよ本当は。お父さん子どもの時はやんなかったから、ハロウィンなんて。

交差点でヘッドライトをつけた車が道を譲ってくれる。さぁ渡ろう。

いつものように家の鍵を渡しいつものように娘にドアを開けてもらった。

家に帰ってからも娘は今夜は明るくお化けの話を続けた。

聞いてみた。

もしかして、今日ずっと考えてた?

うん、今日はずっと考えてた。

娘の今日一日をいたわってやりたくなった。

死ぬと天国に行くの?

あたし天国いけんのかなあ。

どんなとこ?

ゲームとかあるの?

あたし死にたくないんだよなあ。

それでも僕よりはるかに明るい彼女に、僕は嘘をつかずはぐらかすという空中ブランコみたいなバランス感覚を試され続け必死だったが少し安心した。

知らないよ、天国行ったことないから。

夕食を食べたあと、なぜか今夜はゴチになりますにはあまり反応せず、パソコンのゲームに集中していたように見えた。

ため息を、ゲームオーバーだからか、それともそうでないためなのかいちいち確認する。

僕は期を見計らって彼女の前に立ち、ゆっくりなるべく穏やかに話しだした。

いいかい。

そんなことまだ考えなくていい。
それより夢を持ちなさい。
たくさんやりたいことなりたいもの、
いつも話をするよね。
それに向かって楽しく進みなさい。

お腹が痛そうだから
赤ちゃん生むのもいやだともいったね。
 今はそう思うかも知れないけど
本当にそういう時になったら
 そうは思わなくなる。
お母さん見てごらん。

いいかい。

人は変わっていくんだよ。

あなたが大きくなって、
やりたいことをたくさんして
 なりたいものになって
幸せになって
 それをずっと続けたら、
 今度はそれを伝えたくなる。
そのころあなたのまわりには
 きっとたくさん人がいる。
その人たちに、
あなたはきっとそれを伝えたくなるんだよ。
 今はわからないかも
知れないけどね。

いいかい。

伝えたいって思うようになるんだよ。
 自分は十分楽しんだから、
あとはそれを皆に伝えて
自分は魂だけ天国にのぼって
天国からずっとそれを見守りたくなる。

ツギちゃんからお父さん。
そしてあなただ。
 繋がっていくんだよ。

だからやなことじゃ全然ないんだ。

昨晩はそれ以上深入りはせず、彼女はいつものように眠りに入りました。ただ少し考え込んではいた気もします。ひとり風呂に入りながら、それでもいつものように鼻唄が聞こえたので、少し僕は助かりました。

おはようございますの時間になりました。

みなさん、おはようございます。

#今度は彼女の名前の話をしてあげよう



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