2017年08月07日

「伊福の信号」と言えば

2017年8月7日


「伊福の信号」と言えば地元の人には通じるのかなと思われる市街地の大きな信号で、僕はいつもと同じようなタイミングで右折レーンに入って信号待ちだなと思いながら右によろうとした時、前を行く黒い車種はわかんないけど三菱は三菱に間違いない車が走っていて、見たら倉敷ナンバーだったので、行く方向といい時間帯といい、こういう時の感は僕はよく当たるんだけどもしかしたら先生かなと思って右折レーンにゆっくり停まろうとしながら入っていって、直線レーンにいるその車の運転席を恐る恐る覗き込もうとしたら一瞬向こうもこちらを気にしたような気配があったので、これは絶体だなと思って完全に停止した僕は今度は少し自信をもって覗いたらやっぱり前任校で一緒だった新婚の、いやもうそうでもないお父さんが僕と同い年の先生だった。

「おはようございます」となんだかよくわかんないけどいつもニヤケ顔で挨拶する先生はやっぱり今日も同じで、なんだそのニヤケ顔はといつものように思ったんだけど、いつもと同じなのがちょっとほっとして懐かしい感じで、そのまんま僕は「もしかしてそうかなあと思ったんです。」と勘の鋭い感じでする挨拶で僕をまた少し懐かしんでもらおうかなとちょっと自信ありげにお返しした。

「え、そうすっか。」

また笑う。

「お元気ですか?」

「ええ、今日メチャクチャ混んでますね。」

そうかなぁ。

「先生どちらでしたっけ。」

「高島です。」

「ああ、そうかそうか、お子さんは?お元気ですか。」

「はいお陰様でやっとつかまり立ちはじめて・・。先生学校たのしいっすか?」

「あんまり楽しくないです。」

大きめに笑う。

「先生帰ってきてくださいよ。」

僕はありがとうございますという意味で正面を向いたまま微妙な角度に気を付けて頭を下げた。

失礼しますと言って車を出した先生は直進、僕はまもう少し待って右折。

今日の右折はいつもとは違っていて楽しかった。

自慢じゃないがこういう日常が僕にもある。

まだ完全に旅行気分が抜けず、毎日走る通勤の道路がちっともマンネリしなくて、間際に迫る山もその上の真っ青な空もどこかの地方都市でしかいまだない景色の中に僕はいるのに、そんな僕に懐かしいという気持ちをもって声をかけ懐かしい気持ちにさせてくれる人がいるという事を、僕はなんですぐ忘れるのだろうと少し自戒をし、そしてほんのちょっとかすかにニヤつく。

僕の日常はまだ旅かも知れないが、まんざらでもない。



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2014 東京→岡山→ 原発事故という我々の無責任について。 我が家のギリギリ疎開計画 https://t.co/h63Rn0E2fX
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