2019年01月03日

我が家のギリギリ移住計画112

年末の27日に引っ越しました。場所は以前の家から一キロあるかないかくらいの隣町の戸建です。2014年に岡山に来てお試し住宅に一年、そのあと北区南方の築五十年はくだらない六軒長屋の真ん中に居を移してそこで三年十か月暮らした後の今回の引っ越しです。

南方の住まいは期間が一年のお試し住宅の期限が切れるのを前に、2015年の正月早々に数か所の物件を回って内覧した中から選びました。非常に古く、建具と柱は明らかにどちらかが斜めになっていて、きちんと閉まらず日当たりにしてもさほど良くなく、また風呂やトイレの状態も決して良かったわけではなかったのですが、なんとか娘を行かせたいと思っていた小学校の学区内で、そこと同じ家賃でほかの物件を探すのは相当難しいことではないかと考え、またお試しの期限も迫ってきてたこともありましたので、ここしかないこれも縁だとほぼ即決して決めました。住んでから雨漏りすることがわかって結局その部屋は最後まで使わずじまいにもなったりと、いろいろ古いが故の苦労もいくつかはありました。

僕や妻はこの家をおそらくは一時の住まいと考えていたと思うのですが娘は違いました。確かに4歳からの4年弱という期間を過ごした家ですので僕らとは思い入れが違うのかもしれません。名残惜しいこともなんとなく言っていました。

なんとか同じ学区で新しい物件はないだろうかと半年ほど前から情報を入れておりました。というのも実は今回の引っ越しのそもそもの理由が「立ち退き」で、半年前に不動産屋から伝えられたのが始まりでした。納得できる条件提示のようなものがなく、こちらも移住支援してくださっている弁護士さんに相談したりしてしばらく静観していたのですが、半年後になにもないままに再び立ち退きについて切り出されましたので、今度はこちらから条件提示するなどして具体的に引っ越しについて考えだしました。不動産屋から再び立ち退きの件を聞かされたのが11月、引っ越しを決めたのは12月に入ってからです。そして具体的に考える前から目星をつけていた物件を内覧などしてそちらの不動産屋とも折り合いをつけていきながら今回の引っ越しになったというのが経緯です。

引っ越しが年も押し迫った27日でしたので、年末年始の正月休みはひたすら荷物の整理に明け暮れました。今回の引っ越しが岡山に来てから2回目で3軒目の家ですが、今までの住まいと違ってこの家には当分住むことになるだろうなとか、当分住んでいたいなというふうに思っています。最初のお試しは1年の期限付きでしたし、前の家はぼろぼろでどれだけ住めるか正直わからない、引っ越しの初期費用もほとんどかかっていないから出ようと思えばいつでも出られると思いながらおりましたがそれとは少し違っています。

前の家は家賃が安く希望する学区でしたが、お試しを出てからのとりあえずの家、住めるならどこでもいいというふうに思って住んでいました。それはたぶん、自分は逃げてきた、という思いが強いために住まいに頓着せず、それに岡山に根を下ろして新しい生活を作ろうなどというような気持ちにも簡単にはなれないということはあったんだろうと思うのですが、そういう先の見えない思いのようなものは、311以降ずっと途切れることなくずっと持っていたもので、状況の変化はあれど根底には消えずずっとそこにあるものだとは思います。


いったいどこへ行くのだろうという思いは、自分たちのことでもそうであり、また原発の行く末、この国の行く末についても同じ思いであったのかもしれません。知らない土地であろうと地域になじまなければならないというのは、こういう思いのある僕には正直厳しい言葉でもあります。しかしそういう思いははたして持たなければいけない思いなのだろうかという素朴な疑問も出てきます。
つまり、原発の過酷な事故に対しての我々の権利がより明確であれば、もしかしたらどんな家でも構わないだとか、この先どこへ行くことになるんだろうだとか、地域となじめず辛いなどという思いを、僕はしなくても良かったのかもしれないと思ってしまうのです。
僕は東京の世田谷から逃げましたので、チェルノブイリ法にあてはめても「逃げる権利」は得られないかもしれません。しかし、あなたには逃げる権利はありませんが逃げた際の補償についてはそれを受ける権利がありますと仮に言われたら、どれだけ救われたろうかと思ったりします。

そこはチェルノブイリ法と日本の“子ども被災者支援法”の大きく違うところだなと思います。

新居は築年数は40年と経ってはいますがリフォームされきれいです。庭がなく自転車の置場に困りはするのですが広さや間取りを僕は気に入っています。将来の娘の部屋もあります。片づけは大変ですが今までと違い岡山での暮らしの展望がこの家で見え出した気がしています。良い家にしたいなと、長く住みたいなと、今思っています。そのためにはやらないといけないことがたくさんあるはずです。それをこれから整理してひとつひとつつみあげるように実践できればと思っています。


次回に続く。




コメント一覧

1. Posted by 素朴な質問です   2019年02月03日 11:58
はじめまして。
もしよかったら、お尋ねしたいことがあります。

お嬢様の給食についてです。
どんなメニューの時に代替え品を作っていらっしゃいますか?
代替えの食事を学校に持って行くときは、どんな御弁当箱に入れていきますか?

よろしくお願いいたします。
2. Posted by 屋根つき   2019年02月03日 17:29
コメントありがとうございます。
学校から月の半ば過ぎに次の月の一か月分のアレルギー対応用の献立確認表を頂き食材を確認し、その中でこの食材は食べさせたくないなと思ったメニューについてはチェックマークをつけた上で学校にお返しして、その品目については給食で出されたものは食べず持参しますということを学校にお伝えしていますが、食べるか食べないかの最終的な判断は妻がしています。
具体的には、
1、海産物
2、キノコ類
3、こんにゃく
の3点がメインです。
これはそれぞれの考えがありますのであくまで我が家の基準ということでご了解くだされば助かります。

弁当箱は、保温タイプの大小ふたつセットの容器を使っています。暖かいものは出来るだけ暖かく食べてほしいので出かける直前に入れたりしています。たまに三つ代替えがある時があるのですが、三つ目がふりかけだったり海苔だったりするなどして、今までこまったことはあまりありませんが三年間で数回、小さい別のタッパで持たせたことはあります。

僕のツイッターアカウントに行っていただくと、どんな代替えを持って行ってるか写真でご紹介しています。ご参考になればと思います。
3. Posted by 素朴な質問でした   2019年02月03日 18:07

早速ご回答を頂きまして、ありがとうございました。
参考にさせて頂きます。

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2014 東京→岡山→ 原発事故という我々の無責任について。 我が家のギリギリ疎開計画 https://t.co/h63Rn0E2fX
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